言語聴覚士 専門性とは|藤田郁代先生 最終講義に学ぶエビデンスと臨床の本質
本日、国際医療福祉大学大学院教授であり、日本の言語聴覚士(ST)界を長年牽引してこられた藤田郁代先生の最終講義に参加してまいりました。
藤田先生は、言語聴覚士が国家資格となる以前から臨床・研究・教育の第一線で活躍され、1997年の言語聴覚士法制定、2000年の日本言語聴覚士協会の設立にも中心的な役割を果たされた方です。また、国内にとどまらず、アメリカ、イギリスなどでも学ばれドクターとの国際交流もされてきたそうです。
まさに、
「言語聴覚士の専門性とは何か」
その問いに対する答えを、長年の実践と研究で示し続けてこられた先生だと感じています。
🌿 藤田郁代先生の歩みと、言語聴覚士の専門性
藤田先生のご功績は多岐にわたります。
- 国家資格制定前からの臨床実践
- 日本の言語聴覚学の基盤を築く研究
- 国際医療福祉大学(学部15年、大学院15年)での長年の教育
- 日本言語聴覚士協会 初代会長としての制度づくり
その他学術誌や出版物、学術集会の大会長等、数え切れませんが、これらは全て「言語聴覚士という専門職を社会に根づかせるための道づくり」そのものだったように思います。
🌱 新人時代に受けた5年間のご指導
私は新人の頃、国際医療福祉大学三田病院に入職し、幸運にも藤田先生から直接5年間のご指導を受ける機会に恵まれました。
藤田先生は「厳しい」ことで知られていましたが、その厳しさの奥には常に患者様への深い愛がありました。
叱咤激励の一つひとつが、「もっと良い訓練ができるはず」という期待と信頼から生まれていることが伝わり、どんな日でも前向きな気持ちで帰路につくことができました。
✨ 最終講義で語られた「言語聴覚士の専門性」とは
本日の最終講義で、特に心に残ったのは、
藤田先生が語られた 「言語聴覚士の専門性の追求」 という核心的なテーマでした。
先生の願いは明確でした。
- エビデンスにもとづいたセラピー(EBST)を行うこと
- 言語聴覚士の知見を客観的なデータとして蓄積すること
- その積み重ねによって、言語聴覚士の社会的認知を広げること
「それらによって初めて、目の前の患者様だけでなく、日本中にいる全ての患者様の治療に貢献できる」
この部分は、私が最も強く感銘を受けた部分です。
熱意だけでは届かない領域がそこにはあり、常に「客観性」という土台が必要であること。
日々の臨床に追われる中で、私たちがつい見失いがちな視点です。
しかし、
研究し続ける姿勢こそが、専門職としての誇りを支える。
藤田先生は、その姿勢を生涯にわたり体現してこられました。
🌟 言語聴覚士の専門性とは、学び続ける姿勢そのもの
今日の講義を通して、私は改めてこう感じました。
- 専門性とは、資格を持つことではなく、学び続け、客観性を持ち、エビデンスを積み重ねる姿勢であること。
- そしてその姿勢が、患者様の未来を広げる力になること。
藤田先生が示してくださった道は、これからのSTが歩むべき指針そのものです。
今回の会は国際医療福祉大学の卒業生を中心に行われましたが、幸運にも私も参加させていただくことができました。
そして、先生の穏やかな笑顔と変わらぬ情熱に触れ、胸が熱くなる、かけがえのない時間となりました。
藤田郁代先生、長年にわたるご指導とご尽力に心より感謝申し上げます。先生が築いてこられた専門性の道を、私たち現役の言語聴覚士がしっかりと受け継ぎ、未来へつないでいけるよう、これからも精進してまいります。

